Stable Diffusionの拡張機能「Tiled Diffusion」を紹介しています。Tiled Diffusionを利用すれば、限られたVRAMでもアップスケールが可能です。VRAM不足でアップスケールができない際の参考にどうぞ。
目次
Tiled Diffusionとは
Tiled Diffusionは、画像をいくつかのタイルに分割して処理することで、少ないVRAMでも画像の拡大処理を可能にする拡張機能です。アップスケール中にVRAM不足で処理が停止する方でも、Tiled Diffusionを利用すれば成功するかもしれません。
Tiled Diffusionのインストール方法
1,「Install from URL」にGitHubのURLを入力
https://github.com/pkuliyi2015/multidiffusion-upscaler-for-automatic1111
上記のURLをStable Diffusionの「Install from URL」に入力し、「Install」ボタンをクリックしてください。
2,「Apply and restart UI」をクリック
次に、Installedタブの「Apply and restart UI」をクリックしましょう。SDが自動的に再起動したらインストール完了です。自動で再起動しない場合は、手動で起動し直してください。
ちなみに、このURLを入力するインストール方法は、他の拡張機能のインストールでも良く使うので、覚えておくと今後楽になると思います。
Tiled Diffusionでアップスケールする方法
1,いつも通り画像を出力
まずはいつも通り画像を出力します。今回は1920×1080サイズの壁紙が欲しいので、960×540の画像を出力し、これをTiled Diffusionで2倍サイズにアップスケールしたいと思います。
最近暑いので夏っぽい画像にしました。
まだ5月なのに…。
2,send to img2imgをクリック
出力した画像をimg2imgの作業枠に送ります。手持ちの画像でアップスケールしたい場合は、直接img2imgの枠にアップしてもOKです。
3,Denoising strengthを調整
Tiled Diffusionを効果的に使うには、ある程度Denoising strengthを抑える必要があります。まずは推奨値の3.5で出力し、そのあと調整していくのをおすすめします。
4,Tiled Diffusionを有効化する
「Enable Tiled Diffusion」にチェックを入れて有効化しましょう。
タイルサイズ
タイルサイズは大きいほど処理速度が向上します。とりあえずは推奨されている64~160を選択すれば問題ありません。一度出力して仕上がりを見てから調整する、で良いと思います。
オーバーラップ
オーバーラップはタイル同士の重なりを調整でき、大きいほど繋ぎ目の違和感がなくなりますが、処理速度は低下します。推奨値は32か48です。
バッチサイズ
バッチサイズは8が推奨値です。メモリ不足の場合は値を下げましょう。
アップスケーラー
アニメタッチなら「R-ESRGAN 4x+Anime6B」、実写タッチなら「R-ESRGAN 4x」を選んでおけば問題ないです。「Anime6B」の方がデフォルメ感が強くなる印象があります。
スケールファクター
画像の拡大倍率を入力します。
5,必要ならTiled VAEを有効化する
Tiled Diffusionを適切に設定したうえでVRAM不足になる場合は、Tiled VAEも有効化しましょう。いくつか設定項目がありますが、初期設定のままでOKです。
6,画像を出力
無事アップスケールできました。ちなみに、「READ ME」を読むと品質プロンプトのみで出力することが推奨されています。上記の画像はもとのプロンプト入れっぱなしで出力しましたが、Denoising strengthやタイル数によっては品質プロンプトのみの方が上手くいくと思うので、仕上がりに違和感がある場合は、品質プロンプトに絞って出力してみてください。
まとめ
今回はStable Diffusionの拡張機能「Tiled Diffusion」を紹介しました。VRAM不足でアップスケールに困っている場合は、ぜひ利用してみてください。
今回は以上です。ご拝読ありがとうございました。