2023年5月29日に集英社が発売したAIグラビア写真集「生まれたて。」を買った感想を紹介。AI画像生成における肖像権侵害に関しても触れています。AIグラビア写真集に関して調べる際の参考にどうぞ。
目次
集英社がAIグラビア写真集を販売
2023年5月29日、集英社が生成AIで作成したAIグラビア写真集「生まれたて。」を発売しました。AIグラビア自体は様々なサイトで数多くの投稿がありますが、集英社が販売したということで、どの程度のクオリティなのか気になり購入してみました。
6月7日に販売終了
AIグラビア写真集「生まれたて。」は6月7日に販売を終了しました。「制作過程において、編集部で生成AIをとりまく様々な論点・問題点についての検討が十分ではなく、AI生成物の商品化については、世の中の議論の深まりを見据えつつ、より慎重に考えるべきであったと判断するにいたりました」と説明しています。
『生まれたて。』 販売終了のお知らせ(週プレグラジャパ公式)
AIグラビア写真集の感想
技術的な参考にはならない
普段から生成AIで画像を出力している方や、AI画像を閲覧している方にとっては退屈な作品だと思います。間違っても技術的な参考になるかも、という理由では買わない方が良いです。恐らくご自身で出力した画像や、無料で閲覧できる画像の方が質が良いはずです。
グラビア写真集としても楽しめない
大体同じような表情だったり、骨格に違和感があったり、気になる箇所が多すぎてグラビア写真集としても楽しめません。全く生気を感じられず、「人形感」があまりにも強いです。
感想がこれ以上出ないくらいには虚無
技術的にもグラビア的にも面白い箇所がなく、これ以上に感想を捻り出そうとしても出てこないぐらいには虚無な作品でした。「集英社が生成AIを使った作品を販売した」ということ以外には価値がないです。
さつきあいは某女優に似てる?
AIモデル「さつきあい」が某女優に似ているという話で、SNS等で議論がおきています。実際に似てるかどうかで言うと、そもそも画像によっては別人に見えるぐらいにはモデルの再現性も微妙なため、写真集を購入したうえで比較するなら、「似てる画像もあるかもね」ぐらいな印象です。
今回の件が似てるか否かは個人の主観によるところが大きいと感じましたが、仮に100人見たら100人似てるというレベルで「実在の人物」と類似性があった時、肖像権の侵害は成立するのでしょうか。この問題に関して、詳細に検討している記事を紹介します。
名誉棄損的な利用かつ本人の写真が学習されてるなら
上記記事の検討によると、名誉棄損的な利用をしている場合、かつ元データに本人の写真が利用されているなら成立すると考えられる、とまとめています。ほかにも名誉棄損的な利用でない場合、名誉棄損的ではあるが元データに写真が含まれていない場合などを多角的に検討されているので、興味のある方はぜひ読んでほしいです。
まとめ
今回は集英社のグラビア写真集を購入した感想を紹介しました。正直、500円の価値はなかったですが、購入したおかげでAI生成画像に関する肖像権の考え方が深まったので良しとします。一応フォローすると、今までAI生成画像を見たことがない、AI自体に興味がなかった、という方が見る分には面白いと思います。それでも無料で公開されてる画像の方がクオリティ高いと思いますが。
今回は以上です。ご拝読ありがとうございました。